昨年、敗戦を喫し、誰もが悔し涙を流し、必ず勝利すると誓ったこの地で、因縁の相手成蹊大学との入替戦の幕が上がる。この1年間、昇格という高い壁に向け、様々な苦悩を乗り越え、ただひたすらに努力し駆け抜けてきた山本組の最後の雄姿を目に焼き付けようと多くの観客が固唾を飲んで見守る中、ホイッスルがグラウンドに鳴り響く。百合の誇りを濃紺のジャージの胸に秘めた15人の戦いが始まった。

先制点を挙げたのは立教であった。前半16分、成蹊ボール敵陣22メートルスクラムでPR眞壁照男(4年・桐蔭学園)を中心とした圧倒的な強さで押し出し、ターンオーバー。敵陣ゴール前マイボールスクラムのチャンスを得る。成蹊とのペースが合わず、何度もスクラムを組み直す。そして24分、試合が動いた。スクラムからボールを持ち出したNo.8吉澤一作(4年・本郷)からSH山本大旗(4年・國學院久我山)→FB床田聖悟(3年・桐蔭学園)が華麗なステップで成蹊を抜き去りトライを決める。SH山本のコンバージョンも綺麗に決まり、会場は大いに湧く。しかし、この後対抗戦Aグループの意地を見せつけられる。攻め込まれる成蹊のプレッシャーでペナルティを何度も犯してしまう。そして前半終了間際、またもペナルティから成蹊にチャンスを与え、決死のディフェンスを見せるもトライを奪われる。スコア7-7と振り出しに戻りハーフタイムに入る。
揺るがずとらわれない”FLOW”を徹底し、ペナルティを無くそうと声を掛け合う。昨年、一昨年と後半で敗れている立教にとってここからが戦いであった。
後半開始早々、またもペナルティを犯した立教は成蹊に得点を許してしまう。そして10分、敵陣22メートル右ラインアウトからそのままモールでじわじわと前進していく。立教らしいアタックでCTB岡田和也(3年・川越東)からFB床田にボールが渡り、ディフェンスを引き寄せながら大きくゲイン。最後、WTB山口航貴(2年・桐蔭学園)が俊足で駆け抜け、トライラインを超えた。しかしその直後、成蹊の多彩なアタックを止めることはできずまたもトライを許してしまう。スコアは12-19となる。入替戦は同点では昇格できない。立教の中に焦りが生まれ始める。その中でも、SO早川亮輔(4年・東京農大第二)の華麗なパスキックやWTB青木天真(2年・立教新座)の大きなゲインに会場が湧き、皆が勝利を祈った。しかし、成蹊のディフェンスの壁を破ることはできず、得点を追加することのないまま無念にも試合終了の笛が鳴り響いた。対抗戦Bグループ残留が決まった。

このチームを勝たせたい。山本主将は新チーム発足時、そう誓い今シーズンを戦ってきたが最後、悲願の目標は叶わなかった。グラウンドでの最後の円陣で流した涙をきっと忘れることはないだろう。しかし、勇敢でひたむきに諦めず最後まで戦い抜いた山本組の4年生を誇りに思う。立教フィフティーンの姿を目に焼き付けるとともに、4年生の意思を繋ぎ、今よりさらに強くなり、1年後胸を張ってまたこの地に戻ってくると立教ラグビー部全員が誓った。

文章:立教大学体育会ラグビー部